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LIFE,LOVE&PAIN(旧)

タイトルは Club Nouveau の80`sのアルバム名。人生っていろいろあるよね。(新URL:○ttp://lifelovepain02.blog.fc2.com/)
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『博士の愛した数式』評【小説】


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映画化される前から目をつけていた作品である。
小川洋子といえば、芥川賞受賞作『妊娠カレンダー』のねっとりからみつくような陰湿さにしてやられたのであるが、さて、この作品においてはどうだったか。

全体としては、よくできていると思う。
一個一個のジグゾーパズルの欠片が、きちんとした場所におさまっている。
それも、すごーく計算されている。
作者自身が、本当に数字の魅力に取り付かれたかのように、生き生きとした人物を描いている。

どこかケチのつけるところはないの?と探したのだが、あるとすれば、そうだな…、
登場人物が、お母さん・子ども・老人、ってところかな。
やっぱりなんていうんでしょうか、ちょっと華がない。
これは単なる個人的趣味だと思いますが。

とは言え、博士の描写なんてけっこう面白い。
体中にメモをつけて、カサカサ動くさまは、まるでなにかの怪物のようだ。
そして、記憶障害をなんとも思っていないかのように見える博士にも、きちんと苦悩があることが示されている。
彼の、過去の恋愛についても、なるほどと思わせる内容だ。
こういうのが揃っていて、初めて人物が現実味を帯びてくるってもんである。

ところで、原作の老人は、垢のこびりついたフケを飛ばしまくるよぼよぼじいさんだが、映画の博士役:寺尾聰は、見たところなかなかナイスガイだ。
おそらく、多くの映画化された作品のように、原作とは一味違ったものになっているのだろう。
機会があれば、映画の方も観てみたいと思う。

しかしな…、最後にもう一つ文句を言うと、30代女性と60代男性の「友愛」っていうのは、ちょっと無理があるんじゃないか。
寒気がします。

  
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