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LIFE,LOVE&PAIN(旧)

タイトルは Club Nouveau の80`sのアルバム名。人生っていろいろあるよね。(新URL:○ttp://lifelovepain02.blog.fc2.com/)
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日曜の午後と恋愛と

fukei_kumo

いろいろあって、わたしはKくん(40歳)と付き合うことになった。
単純に言えば、わたしがKくんに撃ち落されたのである。

日曜日の気持ちのいい午後、わたしたちは川の堤防をウォーキング(決して散歩ではない!)した。
Kくんは、わたしが疲れてくるとスピードを落として、「ええやろ! こういう自然を見るのも!」と、青空に広がるぽんわか雲とか、遠くにみえる山々とか、羽根休めしているたくさんのハトやスズメに喜んでいるわたしに、まるで自然が自分のもののように自慢げに話すのだった。

その後、Kくんちでビールを開け、残りものの鍋に白菜その他を継ぎ足して、また鍋を食べる。
「俺は、鍋男やっ」とKくんがおどける。
汗ばむほどの運動だったので、部屋の窓は開かれ、そこからさわやかな風が舞い込んでくる。
風でカーテンがゆれ、南向きの部屋は明かりがさし、わたしは思わず、
「いい午後やね」と言った。
Kくんは満足げだった。この人は、常に動いたり遊んだりしていないと死んでしまうのだ。

わたしは、夢みてしまった。
こうして、いつも日曜日の午後に歩いて、鍋男のKくんの冗談に笑っている生活を。
そしてKくんが、「付き合うか?」とまた言ってきたとき、わたしは思わず「うん」と言ってしまった。
「うむ」とKくんは満足げに煙草を消して、それからわたしたちは、いろんな話をした。

「俺は低収入やで。(実際彼はワーキングプア)あんまり期待せんとってや」
「俺が(女と)付き合うなんて、久しぶりやな」
「たぶん、無理矢理、恋愛せんとこうと決めてたんやろうな」
(Kくんは、12年前、結婚しようとしていた彼女を親友に寝取られてから、女性・男性不信になっている。)
「その後、女とはいろいろあったけど、全部いきずりやったな」
「お互い、若さを忘れんようにしような。歳とったらあかんで」
「それより、Hせなあかんな。あれも相性あるんやで」

「相性、悪かったらどうすんの?」
とわたしが尋ねたら、Kくんは、
「俺はプロやっ」といつものように笑った。
Kくんの口癖だ。なんでも、「へーすごいね」と誉めたりすると、必ずこのフレーズが出てくる。

だが、一見、温和に見えるこの恋愛の出だしも、じつは早くも困難が待ち受けていることを、その夜、わたしはバイト先で知ることになる。
わたし自身がそうであるように、Kくんも生き地獄のなかを生きているのだ。
そして、その地獄はわたしの想像を少し超えていた。
詳しくは書けないが、Kくんにとって、わたしの存在がこの12年間の苦しみを溶かすくらいのものでないと、わたしはこの恋愛は続かないと思っている。

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