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LIFE,LOVE&PAIN(旧)

タイトルは Club Nouveau の80`sのアルバム名。人生っていろいろあるよね。(新URL:○ttp://lifelovepain02.blog.fc2.com/)
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別れの算段

heart_patapata

前編の続きである。
昨日、わたしの勤めるカラオケパブ《W》に来たKくんは、この上なく上機嫌だった。
「おっ今日は綺麗やないか」と何度も言う。
「俺のところに来るときは、いつもこういう格好で来たらええねん」
そして、わたしを抱き寄せて、他の客に「俺の女房だんねん」などと言ってみせる。

しかし、わたしの心はとっくに冷め切っていた。
なに上機嫌になっとんねん、このアホが! 夜の蝶が女やと思うなよ。これは商売やからみんな綺麗にして笑とんじゃ! 生身の女が、いつも自分にチヤホヤしてくれる思とんちゃうわ、ボケェ!!

わたしは昨日の夜、もう彼と別れることに決めたのだ。
いろいろ考えた末、わたしは、今後も店で彼と出会う可能性に配慮し、罵り合いの別れには絶対すまいと考えた。
そのため、話し合いの場を設けないことにした。
彼と冷静な話し合いなど成立するわけがない。どうせまた罵られるに決まっているのだ。そして今度こそ、わたしは彼の数倍も鋭利に口汚く、彼の男のプライドを完膚なきまでにズタズタにするだろう。…

じゃあ、いつどのタイミングでどういうふうに?
――Kくんは、明日の月曜日は、絶対仕事が抜けられないと言っていた。
だからその日、悪いが昼間のうちに彼の部屋に勝手に入り、自分の私物を回収して、合鍵を持ったまま逃げようと思う。
その後は、メールにも電話にも一切応じない。
彼は、やがて店に様子を伺いに来るだろう。
そのとき、封筒に入れた鍵を渡すのだ。「もう要らないから」と言って。

そのときのわたしは、営業スマイルでニコニコしていて、綺麗に着飾っていて、Kくんの思い通りの女になっている。
あなたは、そんなわたしの姿しか見たくないって言ってんだろ。
だから、この方法なんだよ!
恨むなら恨め。もう、二度とわたしのありのままの姿は見せない。

幸いなことに、彼は、わたしのマンションの部屋を知らない。
一応、探し当てられないように表札は外しておく。
そうすれば、もう一生、彼とは店でしか会うことはないのだ。
彼が、いろんな人々にわたしのことをどう吹聴しようが、知ったことじゃない。
ただ、Kくんらの仲良しグループの中心人物Kちゃんには、ちょっと本当のところを耳に入れておきたいと思う。

ここ2・3日のわたしは、あまりにいろいろと考えすぎて、眠れなくなり、食べられなくなった。
いかん、また痩せる。
いまから、もりもりとスパゲティでも食べて、元気を出そうと思う。

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