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LIFE,LOVE&PAIN(旧)

タイトルは Club Nouveau の80`sのアルバム名。人生っていろいろあるよね。(新URL:○ttp://lifelovepain02.blog.fc2.com/)
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お別れの第二歩

xmas4

別れの計画なんて、予定通りにうまくいかないのが通例なのかも知れない。
昨日、わたしの勤めるカラオケパブ《W》に、Kくんは一人でやって来た。
だが、カウンターは満席だったので、いつもとは違うボックス席へ回されてしまった。
これだけでその日、わたしが彼に合鍵をこっそり返すのは不可能となった。
わたしはこころのなかで、舌打ちをした。

――その続きを書くまえに、先に説明しておかなければならないことがある。
じつはその日の夕方、チャット仲間Mとチャットしている最中に、いままで沈黙していたKくんから怒りのメールが届いたのである。
「メールしても返事来ないし! どうしたんですか! なんか言ってくれればいいのに!」
あーあ、怒ってるよ…と、事情を知るMに話す。
わたしは少し心配になってきた。ここで怒りを増幅させるとまずいかも知れない。
Mに相談して、結局、ちょこっと返事を返しておくことにした。
曰く、「今夜なら《W》にいるよ♡」

Mがすかさず、「ハートはまずいかも。男は勘違いするってTVで…」と言う。
しかし遅かった。ほんとうに勘違いされてしまったのだ。
「そうですか。今日は店に行けるかどうかわからないけど、仕事頑張ってください」
…営業トークだったのに……。4日ぶりのメールで、あんな短文の文章を送られたら、わたしなら怒るけどな。

ともかくそうやって、Kくんはわたしの裏切りをなにも知らないままに、《W》に来てしまったのだ。
アイロンや化粧品や歯ブラシが消えていることに、彼はまだ気がついていないのである。
毎日歯を磨く癖のある人なのに、なぜ、自分が買ってやった歯ブラシがないのに気づかないのだろう? もう理解に苦しむ。

その日のKくんはきちんとジャケットを羽織り、スタッフのHちゃんを相手に礼儀正しく飲んでいた。
こんな姿だけを見れば、彼はきっと結構もてるだろう。
わたしは、他のウルサイ団体客のところにずっといたので、Kくんとはまったく話をする機会がなかった。

あっという間に時間が経ち、ママに「もう帰っていいわよ」と言われる。
わたしは、Kくんに「お先に失礼します」と挨拶して(客全員に挨拶して帰る規則なのだ)、なんだか気抜けして帰ってきた。
マンションで、風呂にでもつかろう…とぼーっとしていると、Kくんからすぐにメールが入る。
「なにを怒ってるの? 部屋に来て! もうすぐ帰るから!」
これが別れの決意前なら、わたしはすぐに飛んでいっただろう。しかし、わたしはこう返した。
「もう遅いし、いまから行くと帰れなくなるでしょ…。朝起きれないから、また今度ね」

そしてゆっくり風呂につかりながら、今後のことを考えていた。
やっぱり、ソフトランディングがいい。
こうして、彼の気づかないまま距離を少しずつ広げていって、やがて気がついたらタダの飲み屋の女と客に戻っていたという寸法だ。
逆上されて、修羅場にならないための、最大限の注意を払わなければならない。

さてそんななか、この文章を書いている最中にも、仕事中のKくんから「メリークリスマス!」のメールが入った。
おいおい、まだアイロンと化粧品と歯ブラシに気がついていないのか?
対応に苦しむ。こころが痛む。
お願いだ、いいかげん気づいてくれ。

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