石でもさじでも投げやがれ
Kくんとよりが戻ってしまった。
あきれている人々も多いことだろう。
昨日、Kくんは《W》に来ていた。
「ざっくばらんにいこう、な?」
「もちろん」
そんな会話のあとで、Kくんと一緒に来ていたNやんが、「僕らおったら邪魔やろうから」などと言う。
店のママはママで、わたしとKくんが付き合っていることに、なんの疑いもない様子だった。
いかん、周りから祝福されている…。
わたしは、Kくんを見た。
いや、わたしの目は、どうしてもKくんの姿を追ってしまうのだ。
あの上背、あの肩、整った横顔…。
ここで勤めている限り、わたしは彼の姿を追い続けるだろう。
わたしは覚悟を決めた。
やっぱり、わたしは彼が好きなのだ。
また、言葉の暴力にあって、バカヤローな気分になるかも知れない。
でも、好きなのを止めることなんか出来ない。
自堕落な恋愛だ。
誰に石やさじを投げられても、文句は言えない。
だが、自分の決めたことだから、これからなにがあっても、自分で処理するしかないのだ。