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LIFE,LOVE&PAIN(旧)

タイトルは Club Nouveau の80`sのアルバム名。人生っていろいろあるよね。(新URL:○ttp://lifelovepain02.blog.fc2.com/)
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『おくりびと』評

okuribito

昨晩はTVで『おくりびと』を観ていたんだけれど、じつに脚本がよく出来ているなーと感心した。
エピソードの一つ一つが、きっちりテーマに帰結している。
ほんでまた、テーマの表現方法もわかりやすい。

「死」を扱う商売をしているおっさん(社長)の部屋は、緑あふれる「生」の世界。
初めて、死体処理をした主人公・ダイが、「生」を妻のからだで確認する姿。
銭湯のおばちゃんが死んだときに、大空を旅立つ鳥たちの映像。
ラストで、ダイの死んだ父親からのメッセージである石が、身ごもっている妻に与えられ、命が繋がれていく瞬間を見せつけられるとき。

「死は特別なものではなく、生と同じ自然な生活の一部である、その命は引き継がれていくのだ」というのが作品のテーマだと思うが、それが静かに、緻密な計算のもとで、淡々と語られていく。

ダイ=本木雅弘の演技も、じつにいい。
ワキを固める登場人物たちも、個性があるし、説得力のある過去を持っていて、物語を引き締めている。
そして、チェロのような荘厳さをもった、納棺師《おくりびと》の儀式。
緑、川、空、美しい自然へ旅立つ人たち。
いやは、これは、いいもんを観せてもらいました。
よかったです。素直に。

で、こっからが私流ナナメ角度からの鑑賞による感想になるのだが、この作品は、あらかじめ海外で勝負するつもりで創ったな、と感じた。
まず、登場人物の名まえ。
「ダイ」は英語圏の人にとっては「死」を連想させられるだろうと思うし、ほかの登場人物もミカ、ナオミなど、英語圏でもわかりやすい命名をされている。
ダイ&ミカ夫妻が住む、元喫茶店の名前も「和」だし、どこか日本をアピールしている感じ。
それと、なんといっても日本情緒あふれる風景や田舎の人々。
極めつけは、東洋の厳粛で荘厳な納棺師による納棺、葬式の風景。
あれは、日本人が見ても、ふうむ~と唸るしな。
あーゆー、欧米諸国にとって珍しいもんって、言い方が悪いが、賞取りに有利に働くんじゃないかと思っている。
まー物語の内容から、必然的に出てくるシーンだから、必然的に海外で注目されたと言えるかも知れないが。

あと、さらに下世話な評になるんだけれど、わたしの持論に「人々を感動させるには、登場人物を殺すのが効果的」というのがあって、これは映画に限らず小説でも漫画でも使える手なんだけれど、この作品は、コレマタ必然的に登場人物が、どんどん死んでいく運命にある。
だから、もともと感動させやすい宿命を持っているんだなー。
そういう意味で、ちょっとお得な題材かなあと思う。

――とまあ、わたしはかなり冷めたことを書いていますが、実際のところは、ラストで涙ぼろぼろでしたよ。
この作品は、プロアマ限らず、これまでさんざん人々から評されたと思うが、わたしは一切それらは読んでいない。
従って、「なにをいまさら、わかりきったことを言っている…」みたいな記事になっちゃったかも知れないけれど、そこんところは、そういう事情なのでござります。

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