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LIFE,LOVE&PAIN(旧)

タイトルは Club Nouveau の80`sのアルバム名。人生っていろいろあるよね。(新URL:○ttp://lifelovepain02.blog.fc2.com/)
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幸せ貧乏症

kaigara

自分の内面について考察中である。

山田詠美『トラッシュ』を久しぶりに読んでいたら、主人公の女よりも、彼女のアル中でどうしようもない中年黒人男の方に共感できた。
物心ついた頃から周りに祝福され、幸せをお腹いっぱいにして生きてきた女に、愛情に飢えてその環境に慣れきってしまった人間のことを理解できないのは、当たり前じゃないかと思った。

作者・山田詠美の育ってきた環境は、激甘の家族愛で満ちた、いまの日本には珍しいベタベタ仲良し家庭である。
彼女は、それを幸せと感じ、エッセイなどでも、そういう気持ちについていけない人間を、可哀相な人…と呼ぶ。
その定義でいくと、わたしもとても可哀相な人…である。

物語の主人公は何度も言う、「世界のみんなが幸せになればいいのに!」(原文ママではない)。
だが、幸せで満腹になったことのない人間は、なんで食料を他人に分けるのが嬉しいなどと考えるのかさっぱりわからない。
かえって、そういうことを言う人のことは、不気味に感じるのである。
だから、「さあ、あなたにわたしの愛を分けてあげる」だの「なぜあなたにはそれが出来ないの?」などと言われることに、腹立たしさを覚えるのである。
(そういう人間が住環境にいたら、わたしだってアル中になる。)

物語では結局、主人公の女はアル中と別れ、愛情に満たされて育った良質な若い男のもとへ移っていくのだが、当然の結果だろう。
そうなることはわかりきっているのに、この主人公(≒山田詠美自身)は、なにをごちゃごちゃ442ページにも渡ってウンチクをかましているのか。
やっぱり、なんもわかっていないんじゃないのか。

もし、この作品を、作家本人がいま、赤面モノだと思っていないなら、全然駄目だなと思う。
負の方向に情熱を燃やしてしまうタイプの人間のことが、いまいち描ききれていない。
作家なら、もう一歩踏み込んで欲しいところである。

<おまけ>
そんで、自分の内面についての考察といえば…、自己嫌悪と恥でめためたになっているところである。

  
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12 Comments

オオノ says...""
田舎から舞い戻って参りました(^^)
「幸せ」 なんて言うモンは、各個人の心の中にあるモンだから、他人が、とやかく言う事じゃないんじゃない。
・・が持論のわたくし。どんな金持ちでも、満たされていない・・・と思えば不幸なんだろうし、貧乏でも、元気で働けて幸せ!! と思えば幸福なんだろうし、、、
大借金を抱えた国の首相が、神社に参拝しただけで大騒ぎをする国はシアワセ!なんでしょうね(^^;
2006.08.17 00:43 | URL | #/3WEEAIQ [edit]
じゅん says...""
遠くに見上げる完璧な自分じゃなくて、足元にしゃがんでるちっぽけで情けない自分を、優しく抱きしめてあげられたらいいんだけど…。

2006.08.17 11:23 | URL | #Qy9rXojc [edit]
なおこ says...""
はじめまして。いつも興味深く見させていただいてます。今日の記事もまた、感慨深いものがありました。その定義だと、私も「かわいそうな人」です。なにかことがあったり、いろいろ話していくと思うのが、逆の「幸せな人」たちとは、話している次元や考え方の方向がまるで違うということです。この本は読んでいませんが、これまで感じてきた違和感に合点。胸がスッとなり、勝手に近しく感じてしまいました。また来ますね。
2006.08.17 12:06 | URL | #- [edit]
C介 on ケータイ says...""
こういうコメント自体、愛を分け与える行為なんでは?と思い、書けても書けなくても自分にとっては自己嫌悪の対象となったりします。
このは小説読んだことないですが、黒○○子は癇に障ります。(笑)
どう見ても自分の方が楽だな、と思うと、かける言葉が見つからない。優しいとか言われるの嫌いだし。
変な話ごめんなさい。
2006.08.17 12:37 | URL | #- [edit]
かつみ says...""
あまり読む気がしてこない小説だなぁ・・(笑)。
重い話が苦手で気楽に読めるおバカな話が好きですが、酸いも甘いも知っている人が書かないとおバカな話も薄くて面白くないですね。

人間もそうなのかもしれませんね。
2006.08.17 17:42 | URL | #- [edit]
由巳ゆみ@管理人 says...""
>オオノさん
お帰りなさい^^。
おっしゃる通りですね。
幸せか否かは本人が決めることですよね。
わたしは自分をあまり幸せだと感じないのですが、他の人からみれば「こんなに幸せなのになぜ?!」ということがあると思います。
幸せに気づくことが出来ない不幸せと申しますか(笑)。自分が気づくまでどうしようもないです。
ただ、そんな自分を「可哀相な人…」と憐れまれたら、ほんとブチ切れます(笑)。
2006.08.17 20:18 | URL | #HLbMCXPA [edit]
由巳ゆみ@管理人 says...""
>じゅんさん
そうですね~。なんかそれに近いことを、臨床心理士さんからも言われてたような気が(笑)。
自分が駄目だと思ったら、どこまでも駄目なのですね。
中庸がないのがいけないと感じています。
2006.08.17 20:24 | URL | #HLbMCXPA [edit]
由巳ゆみ@管理人 says...""
>なおこさん
あ、おわかりになりましたか。
はじめましてです。
こういう負の感覚は、たぶんわからない人には一生わからないものですよね。
育った環境、その人の性格などに深くかかわっている部分ではないかと思っています。

だからといって、それを正当化するつもりもないのですが…。
わからない人が、「どうして?どうして?」と突っ込んでくると、逃げたくなるとしか言いようがないですね。
2006.08.17 20:30 | URL | #HLbMCXPA [edit]
由巳ゆみ@管理人 says...""
>C介さん
いえいえ、なんというか、わかりづらい話で申し訳ありません。
こんな人間もいるのね…と軽く見過ごしてやってください(笑)。
黒○○子は、どういう関連があるのだろう?
どういう人なのかよく知らないのですが、ちなみに、ボランティアのような人が「世界のみんなが幸せになったらいいのに」じゃなくて「少しでも多くの人が幸せになるよう」だったら、欺瞞だとか思わないです。
2006.08.17 20:44 | URL | #HLbMCXPA [edit]
由巳ゆみ@管理人 says...""
>かつみさん
あ~なるほど、そうかも知れませんね。
厚みがない人が、へらへらしてたらただの軽い人になっちゃうかも知れませんね。
見てても面白くないし…。

この小説はおすすめではないです。
何しろ重い。重いし主人公がわかってない甘ちゃんなのでイライラする(笑)。
2006.08.17 20:53 | URL | #HLbMCXPA [edit]
ぽりぽり少尉 says...""
ぐげ
山田詠美は激甘家庭のお育ちなんでありますか。てっきり、ヤサグレな人かと思っておりました。

人生、常に充分な愛に触れていられるものではないでありますから、
愛が少なくても、てきとーに生きていける逞しさのほうが大切ではないかと思うでありますよ。

「愛を分けてあげた」から「同じことをして」と言う人は、愛に飢えているとも見えますなあ。
「愛」という逆らいようのない言葉で、相手をがんじがらめにしようとしているというか・・・・
「愛」は常に矛盾を孕んでいるでありますよ。
2006.08.17 21:44 | URL | #- [edit]
由巳ゆみ@管理人 says...""
>ぽりぽり少尉殿
なるほどー…。すごく当たり前のようだけど改めて開眼させられるお言葉です。
物語の主人公に同調できなかった一つの理由はそこにあると思います。
すなわち、「愛をあげたんからあなたも同じだけくれるべきよ」という物言いです。
もちろん、彼女はもらえるのが当たり前だと思っているので、結局愛に飢えるのですが、そこで「もらえない人生」を生きてきた相手を責めるのは間違ってる、そもそも相手を選び間違ってることに早く気づけよって感じです。

山田家はアメリカンファミリーもどびっくりの激甘家族らしいですぞ。
わたしも初めて知ったときは意外だったです。
2006.08.17 22:06 | URL | #HLbMCXPA [edit]

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