死んだあとの準備 - LIFE,LOVE&PAIN(旧)

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タイトルは Club Nouveau の80`sのアルバム名。人生っていろいろあるよね。(新URL:○ttp://lifelovepain02.blog.fc2.com/)
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死んだあとの準備

yuri

うちの父親は、大腸ガンの末期で、あと2・3年はないですよと言われている。
当初、彼はしばらく物思いにふけっていたが、やがてせっせと死んだあとの準備を始めた。

「証明写真の撮り方がわからんから、一緒に来てくれんかのう(大分弁)」
「いいけど?」と一緒に行ってみると、それは遺影の撮影だった。
「パスポートサイズでいいの?」
「おお。――おお、よう撮れとる」
「服が白じゃなかったら、もっとよかったのにねえ」
「そうかのう?」
「バックが白やもん。まあいいよ、あとで青に変えればええねん」
死の淵にいる人に、ズバズバとものを言うわたしはどうかと思うが、母はもっとひどかった。
「鼻の穴が上向いてるやないの、撮り直してき」
なんだかんだ家族に言われつつ、父はその写真を「ここに置いとくからな」と言って、棚の上にしまった。

それから彼は、葬儀屋ももう自分で決めている。
車を走らせながら、「ほら、あそこ。俺の葬式はあそこでしてくれ」
わたしはよくわからないので何も言えず、母はなにかをブツブツつぶやいていた。
なんか不満があるんだろう。
わたしも母も、父に関しては、まったくドライで、母なんかは「もうそういう歳なんやから、仕方ないで」と言い切っている。
父の方は、「お母さんがあんなふうに、悲観的になれへんから、助かってる」と言っている。
つまり双方、意見が一致していて、そこに問題はないのだ。

それにしても、葬儀屋の件はなあ・・・。
よくある葬儀屋のCMみたいに「お父さんは、こんな人で、あのときはこうだったよなあ・・・」なんて、遺族同士で明るく? 語らい合うという、ユメみたいなことはできそうにないな。
なにしろ愛娘2人が、最悪にいがみ合っているから。
葬儀のとき、お互い目も合わせないのは、間違いないな。
わたしとしては、塩をまいて「カエレ」って言いたいくらいだ。
もちろん、父は愛娘たちの確執を知っているから、期待はしていないと思うが。

闘病中とはいえ、まだ元気な父が、葬儀の話って早すぎる気もするが、彼自身は、先日のCTスキャンの結果、腹膜への転移が広がっていたので、「俺はあと1年もたん」と言っている。
真偽はともかくとして、たぶん彼は、時間がないと思っているのだ。
ガンって、そんなに早く悪化するものなのかなあ・・・わからん。
でもまー、人間いつかは死ぬんだから、死んだあとの準備って、いつやってもおかしくないのかもね。

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