認知症の人の気持ち - LIFE,LOVE&PAIN

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タイトルは Club Nouveau の80`sのアルバム名。人生っていろいろあるよね。
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認知症の人の気持ち

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母が、「2年ほど前から、急に物忘れし始めたのよー」と言うので、じつはちょっと気にかけている。
「俳優さんの名前とか、全然出てけえへようになったわ」

「俳優の名前なんか、知識として蓄えておく必要あんの?」
「でも、まえはちゃんと覚えていたのに。ほら、この・・・ピンチ? こういうのの名前も出てこないのよ。ボールペンはわかるけど」

そりゃ、ボールペンを忘れたらやばいと思うけど。
俳優の名前を忘れるって、どうなんだろう・・・、でも、本人が異常に思っているんだから、やっぱりそうなんだろうな。

わたしは、まさかアルツハイマー病じゃないだろうなと密かに思った。
ただの老人ボケはいいけど、これだけは勘弁してくれと思っているのである。
あれって、介護がすごく大変なんだよな・・・。
ただ、弱ってくれるだけじゃないもんな。

だけど、わたしは認知症の初期の人の気持ちは、わかるような気がするのである。
5・6年前、わたしは躁が大爆発して、自分を失い、1ケ月ほどキチガイになった。
そのときのことは、ほとんど覚えていない。
だが、点々と残っている記憶があって、そのなかには、「ここはどこ? 自分の家じゃない」という恐怖に囚われたシーンが、ハッキリとあるのだ。
知らない家にいる自分は、じっと固まって、身動きもとれずにいた。
苦しくて仕方なかった。
でも、どのくらいか経ったとき、「もう、わたしはこの家でみなしごとして生きていこう。(年齢が逆行していた?)この家の子になるんだ」と決心して、居間の方へ行ったのである。
すると、あれ? 見慣れた棚が・・・。ここはわたしの家だ・・・。
――ということで、呆気にとられたまま、わたしは一安心したのである。

認知症の人が同じかどうかわからないけれど、もし、ああいう状態に陥られているんだとしたら、そりゃ「なんでそんなこともわからないの!」って言われたら、パニックになると思うよ。
「あら、ここはあなたの家よ。大丈夫、すぐ思い出すよ」って優しく言ってくれたら、安心するなあ。
ほかのことでも、わからないことや間違ったことがあっても、「駄目じゃない!」って言われたら、ほんとうにショックを受けてどうしたらいいのか苦しんでしまうと思う。
まー、介護している人からすれば、腹が立ってしょうがないっていうこともあるんだろうけど。

わたしの、あのキチガイワールドはなんだったのかなあ。
ほかにも、母親に「あなたは誰?」って言ったらしいけど、わたしはそうじゃなくて「(あなたは)ママさんじゃないの?」って言ったはずなんだよね。
その後も母は「あなたの母ですよ」って返したのに、わたしのなかでは「わたしはあなたの母じゃありませんよ」に変換されていて、わたしは大ショックを受けたのだった。
認知症の人のあたまのなかでも、ああいう変換ミスが起こっているのかなあ。
だとしたら、恐怖と不安でたまらないと思うなー。
周りのできることは、優しくニコニコと接してあげることだろうな。
ただの予測にすぎないけれど。

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