末期ガンの父の帰省 - LIFE,LOVE&PAIN

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タイトルは Club Nouveau の80`sのアルバム名。人生っていろいろあるよね。
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末期ガンの父の帰省

yama3

昨日、夕食後に父が消えてから、母が聞いて、というように言った。
「4月にお父さんと田舎に帰るの、兄弟の人たちが、予定が合わないって・・・」
「え? 4月初旬は駄目ってこと?」
「いろいろあって、5月にしようって。去年もみんなで会ってるからって・・・」
「5月でもえーやん」
「そうやな・・・」

母の声は、怒っているのか悲しんでいるのか、よくわからなかった。
4月の帰省目的は、末期ガンの父のために、兄弟みんなで会おうというものだった。
しかし皆さん、いい歳のおじいさんなのに、予定が合わないってどういうことよ。
寒いからっていうのが、理由なんだろうな。
もしかしたら母は、「もう時間がないのがわかってるのに、こんなに軽くあしらうなんて・・・」と、悲しんでいたのかもしれない。

母が4月初旬にこだわるのは、新しい治療を始めるとしたら、4月中旬になるからである。
そのあとは、どんな副作用が出るかわからないし、副作用どころか、体調に異変が起きるかもしれない。
母はそのへんを考えて、あれこれ手を尽くしているのだが、兄弟ともに肝心の本人も、「兄弟に会わなくてもいい」と言うんだから、どうしようもない。
わたしはもう、好きにさせたら・・・、と思うけれど、母は家族のことを、自分の手足みたいに考えているから、最後まであきらめないだろう。
なんというか、根性があるんだよなー・・・。
一家の大黒柱は、うちの場合は父親じゃなくて、事実上、彼女なのよ。

治療の方は、本人は嫌がっているけれど、元彼Sちゃんに事情を聞くと、やはり抗ガン剤治療は受けておいた方がいいらしい。
「受けないと、副作用くらい我慢すればよかったって、後悔することになるかも」と、Sちゃんは怖いことを言った。
ほんとかな。Sちゃんの奥さんが亡くなったのは、何十年も前だから、古い情報かもしれないな。
だけど、もしほんとうだったら、いまの「手足が痺れる」なんかの副作用で、治療をやめようとするのは、早まっているよと言いたい。
あの人、緩和ケアに入ったら、安らぎ空間が来ると思っているから、そこだけは違うよと何回か正したのだが、全然受け入れようとしない。
嫌なことにならなければいいけどなあ・・・。
人が痛がっているのなんか、見たくないよ。

それにしても、あんなに田舎、田舎、って繰り返していた人が、なんでここに来て、「行かなくてもいい」になるのかな。
今日、昼ごはんを食べていると、父は「東京に行きたい」と言い出した。
「皇居を見たい」と言うので、母が「見たことあるでしょ」と返すと、ちょっと怒って「もう、動けんのや」と言った。
うーん・・・。もしかして、大分まで行くのが、すでにしんどいのかな?
考えたら、90台のおじいちゃんおばあちゃんが一同に集まって、お別れ会なんてしないよね。
父と兄弟たち、じつはもう解散しているのかな?
なんか、どっかのバンドかって感じだけど。

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