旧家の執念 - LIFE,LOVE&PAIN

LIFE,LOVE&PAIN

タイトルは Club Nouveau の80`sのアルバム名。人生っていろいろあるよね。
-

旧家の執念

haka2

昨日、元彼Sちゃんと話していたら、先祖代々の墓の話になった。
ちなみにSちゃん一族は、室町時代から続く旧家で、Sちゃんはその当主である。
わたしはまえから、Sちゃんが、最近できた新興住宅の人々を、自分たちと明らかに別物として見ているなと思っていたが、それだけじゃなく、一族から結婚などで離れていった人々に対しても、もーこっちの人間じゃないんだから出ていけって、忌まわしく思っているのを発見した。
あれ? こんなことって、当たり前だったの??

「そこの家は、□□家と△△家だったんだけど、娘が結婚して、同じ敷地内に××家の墓ができちゃったんだよ」
「? お墓ってそこの家のことじゃないの? なんでSちゃんが関係あるわけ?」
「管理料とか要るでしょ。俺の前の代までは、ひいじいさんの嫁がこの人で、とかみんなわかってたけど、いまは俺しか知らないんだよ。だからこれから、家系図をつくらないと駄目なわけ」
「管理料ってそんなに莫大なん?」
「1,000円」
「1,000円??!!」

ということは、管理料が問題なんじゃないんだな。
要するにSちゃんは、一族の外に出たくせに、一族の敷地に墓を立てている××家が、気に入らないのだろう。
はぁ・・・、確たる墓もない根なし草のわたしとしては、商魂? たくましいですねえという感じである。
「じゃあ、これからどうすんの?」と尋ねてみたら、Sちゃんはムッとして、断固とした口調で言った。
「2年後に警告する。それで、5年後に出ていかなきゃ撤去する」

なんか、ここまで来ると笑えてきた。
旧家ってへん。
新興住宅の人々が若い人ばかりで、自分たち一族の墓のことを知らないのも、気に障っているようだ。
なんに関しても、冷静で寛容なSちゃんが、旧家としての誇りに、ものすごいこだわりを持っていることに、申し訳ないが、こころのなかでブルブル笑っていた。
Sちゃんが昔の親戚を、ズラズラ挙げていたときに、そのうちの一人に「なかぞうさん」がいるのを聞いて、ついに爆笑してしまった。
なかぞうさんって・・・、面白い名前・・・、ごめんなさい、なかぞうさん。

ついでに、話を振ってみた。
「跡継ぎはどうすんの? 娘さんばかりだよねえ」
「三女」
「三女の旦那って、全国飛び回ってんでしょ。ほんとに継ぐの?」
「それは、ちゃんと言って聞かせたから」
「大丈夫かなあ(←意地悪)」
「大丈夫。なんかあったら、俺が、娘と孫を守るって言ってある」
「えー!! 守るのは旦那やろ・・・」
「相続権は、娘にあるからね。その次は孫。血の繋がってない人間にはないよ」

うわー! なんか怖いこと言ってない? この人!!
ふつう、一家の構成は、親と子どもでしょ・・・。
ここは、祖父と娘と孫なのね。
お父さん、可哀想・・・。次世代をつくるためだけに一族に迎えられた人。
もしかして、全国を飛び回っているんじゃなくて、逃げ回っているんじゃないの。

ちなみに、後継が3女になったのは、3人でジャンケンで勝ったという理由らしい。
ジャンケンというのは珍しいと思うが、「勝った人」というのも、わたし的には「アレ?」という感じだった。
それこそ墓の管理とか、面倒くさいとか思わないのかな・・・。
旧家の人の考えることはわからない。

その後、Sちゃんは罪滅ぼしのためか、3女の旦那には、刀とか掛け軸(数万円相当)をあげようかなと言っていたが、「そんなもん、誰も要らんと思うよ」とだけ言っておいた。
まったく、ブルジョアはセコイなー。
一族の血統と財産と墓を守りぬくための執念は、はたから見て笑えるよ。

該当の記事は見つかりませんでした。