おかゆと点滴 - LIFE,LOVE&PAIN(旧)

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タイトルは Club Nouveau の80`sのアルバム名。人生っていろいろあるよね。(新URL:○ttp://lifelovepain02.blog.fc2.com/)
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おかゆと点滴

okayu

昨日は、末期ガンの父のところへ、訪問看護が来て、点滴をしてくれた。
看護をしてもらうのが大好きな父は、とてもご機嫌だった。

「見て。点滴やで」と母も、上機嫌で言った。
わたしは、へんな気がしていた。
前になかったものがある・・・、これって「変化」だ。
昨日の続きが今日、今日の続きが明日だとすれば、物事が急に変わることはない、ってふだん思っているけれど、急に変わることだってあるよな。
この、点滴が加わったところを、動画にしてコマとして見た場合、「あ、ここで変わってる」とハッキリわかる。
こういうの、見逃せないよな・・・。

それから、夕食のときも、なんだか見慣れない釜が湯気を吹いているので、なにかと思ったら、おかゆをつくっているのだった。
「こんな釜、あった?」と尋ねると、「もう、20年前くらいの。ひいおばあちゃんが生きてた頃のやつな」と母は言った。
つまり、ひいおばあちゃんが亡くなる前、食べられなくなったときに使ったんだな。

わたしは、その釜を、これから毎日見ることになるのかなと思った。
食欲のない父のための、おかゆ釜。
これも「変化」だ。
いままでなかったものが、そこにある。
わたしは、父が着実に死に向かっていることを、実感した。

これからも、どんどん増えていくものがあるんだろうな、とわたしは漠然と思った。
父も母も、なんでもないことのように考えているけれど、その一歩一歩が、死への階段だろう。
もう決まってしまった運命に逆らえないが、その過程はやっぱり、あんまり愉快じゃないなと思う。

父は、出来上がったおかゆを、一杯食べた。
「ただ流し込んでいるだけ」ということだった。
あれ? いつの間にそんなふうになっていたの? と思う。
そして、あそっか、いちばん「変化」を知っているのは、病人本人だよね、と思った。
わたしはなにもできずに、それを見守るだけだ。
誰も、時間に逆らうことはできないからね。

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