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LIFE,LOVE&PAIN(旧)

タイトルは Club Nouveau の80`sのアルバム名。人生っていろいろあるよね。(新URL:○ttp://lifelovepain02.blog.fc2.com/)
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キャッチャー・イン・ザ・ライ

shikaku

昨晩、目の前に転がっていた『キャッチャー・イン・ザ・ライ』@村上春樹訳を広げて読んだら、涙が出てきた。
誰でも、ツボにはまる作品ってあると思うが、この小説はわたしにとってそういう類である。

高校を退学してほっつき歩いている少年・ホールデンが、妹に訊かれてふと馬鹿みたいな夢を語る。
「何千人と子どもがいるライ麦畑のなかで、崖の方をめがけて走っていく子どもがいるだろう?その子をさっと掴まえて助けてやる仕事、それが僕のやりたいことなんだ、それ以外はない」(原文ママではない。)

もちろん、崖をめがけて走っていく子どもとは、ホールデン自身なのだが、彼はそんなことを言って、間接的に誰か自分を助けてくれと読者に訴えかける。
クールな態度の裏にある少年の叫びが、その言葉に集約されていて、心にぐっと踏み込まれる。

この小説(野崎孝訳)を初めて読んだのは、20歳ごろだったが、そのときからわたしの愛読書1・2位となっている。
当時は、わたしの人生は順調だったが、それでもホールデンの気持ちに同調できた。
崖から転落したいまなんて、なおさらである。
「わたしのことも誰か助けてほしかった」。…
だが、(ま、人生なんてこんなもんさ)みたいなホールデンの幕の引き方に、そうなのだ、誰も自分の望み通りに助けてくれたりはしないのだと知らされる。

村上春樹訳は悪くないと思うが、わたしは野崎孝訳をあきれるほど読んだので、そっちの方が慣れていていい。
村上春樹訳…、最後に訳者の解説があるはずだったが、著者(サリンジャー)の要請により実現できなかったとある。
フランツ・カフカ賞を受賞したいまなら、OKが出たんだろうか?読みたいなー。

著者サリンジャーは、その後いくつかの作品を発表したものの、公の場に出ることはなくどこかに隠れ住んでいると聞く。
もしかして、永遠の少年なのか?この人は。変人であることに間違いあるまい。

  
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6 Comments

じゅん says...""
私が高校生の頃(かなり昔ですが)サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』とヘッセの『デミアン』が仲間内で流行っていて「ねえねえもうあれ読んだ?」という会話がよく交わされていました。読み返すと当時の記憶が怒涛のように甦ってきます。サリンジャーの書いた他の作品も読みたくて探したけれど、書いても発表しない作品が多かったらしく、その人となりも作品と同じく興味深いですね。私は最初に読んだ人の訳で頭に入っているので村上訳はまだなんだか読む気になりません。ゆみさんが話題にしてくれたので読んでみようかな…。
2006.11.19 15:55 | URL | #Qy9rXojc [edit]
由巳ゆみ@管理人 says...""
>じゅんさん
そうなんですか~。わたしの高校時代ときたら、クラブ仲間内で『月刊陸上競技』を、早くまわせ、まわせ!って感じでした(すみません;;)。
サリンジャーでは、短編集『ナイン・ストーリーズ』がうちにありますが、あんまり読み返しません;;。彼の死後はいろんな未発表作品が出てくるんでしょうかね。傑作もあったりして…。
ライ麦に関しては、前の訳者が頭にある人には、村上訳はあまり好評でないような??全体的に賛否両論みたいですね。
2006.11.19 17:49 | URL | #HpxSj1NI [edit]
かつみ says...""
サリンジャーは10代の頃に読みましたが、30代の今読んだらまた変わった感想になるのかな?
10代の頃より人生のしょっぱい部分を多少なりとも知った今、何故かもう一度読み返そうという気が起きない作家さんです。
ご本人はやっぱり変人なのかな~(笑)。
2006.11.19 21:22 | URL | #- [edit]
由巳ゆみ@管理人 says...""
>かつみさん
これは、大人になってから読んでも絶対共感できない作品ですよね(笑)。わたしが、いまでも読んでいるのは、わたし自身がいつまで経っても大人になり切れない部分を持っているからだと思います。
作者は変人だと思いますよ~?厭世的な人なのかなあと勝手に想像しています。いまほんとうに生きているんだろうか???
2006.11.20 00:15 | URL | #HpxSj1NI [edit]
anis says..."多くの真っ当な大人たち"
彼に不快を感じるといいます。
私は野崎さんの訳が圧倒的に好きです。屁理屈が屁理屈っぽいから。
そうして、私の周りの見捨てられない人たちをこっそり〝ライ麦畑の住人たち〟と呼んでいます。

2006.11.26 08:31 | URL | #mBzIeYos [edit]
由巳ゆみ@管理人 says...""
>anisさん
そうですね、大人になってから読む本ではないですね。と言いつつ、わたしは20代でしたが;;。
わからない人には、徹底的に嫌われる本だと思います。
2006.11.26 13:01 | URL | #HpxSj1NI [edit]

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